みなさま、こんばんは!

さて、本日は先々週の木曜日に引き続きアフリカ大陸の農業セクターにおけるコールドチェーン構築の動きをご紹介いたします。

本日ご紹介する記事ではコールドチェーン構築の必要性について、国連食糧農業機関(FAO)のデータを用いながら現在の農業セクターにおける課題点から非常に詳しく紹介されていますので、ぜひご覧ください!

明日もお楽しみに!


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記事:「アフリカ農業におけるコールドソリューションの拡大」

『‘COOLING’ OPPORTUNITY: SCALING POST-HARVEST TECHNOLOGIES IN AFRICA』

記事リンク:

内容と背景:

本日は先々週の木曜日に引き続き、農業セクターでのコールドチェーン構築に関して、今回はその課題点を中心にデータを用いて詳しく解説している記事をご紹介いたします。

コロナウイルスへの対応としてロックダウンや様々な規制措置が取られ物流に多くのボトルネックが生じている中、世界的に食料需給のバランスが危惧されているのはみなさんご存知かと思います。しかし実はコロナウイルス発生以前からポストハーベストロス(以下:PHL)と呼ばれる収穫後の食料損失が問題視されており、まずPHLをなくすことが食料需給のバランスを整えるための最初の一歩とも考えられます。

特に労働力の54%が生計、収入、雇用を農業セクターに依存しており、人口の63%が農村部に住んでいると推定されているアフリカ大陸では、農業セクターにおけるPHLをなくすことは貧困緩和と栄養改善の観点で最優先に取り組まなければならない課題であり、近年エネルギー効率の高いオフグリッド冷蔵技術への多大な投資が求められています。

実際に国連食糧農業機関(以下:FAO)によると、2億3千万人以上もの人々が慢性的な栄養失調に苦しんでいるサハラ以南のアフリカ(以下:SSA)だけで、食糧生産の30~50%が市場に届く前に失われています。その原因には適切な保管方法、加工方法、また輸送設備の欠如などが挙げられています。

さらにFAOは今後のこの分野の課題を解決に導くデータとして電力へのアクセスの難しさをあげています。1000万世帯の農家のうち電線網へのアクセスを持つ農家が36%であるのに対し、その電線網へのアクセスがない農家は62%に上り、22.5万世帯に相当する残りの2%だけが既存のコールドストレージの恩恵を受けられるとしています。そしてこうした中オフグリッド環境にて大規模で信頼性の高い太陽光発電コールドチェーンを確立させ、PHLを減らし、市場競争力を高め、効率の良い商業化を実現することでの重要性に触れています。このソリューションが導入されることで食料供給を15%増加させることができるという調査結果も存在するように、SSA地域ではサプライチェーン内での適切な冷蔵ソリューション構築の必要性が叫ばれているのです。

しかし、記事では「オフグリッドコールドチェーン構築に関する洞察(OGCCC)」と呼ばれる最近開催されたウエビナーにてファイナリストに選ばれたケニアのFreshBox、ウガンダのEcoLife、またナイジェリアのColdHubsの事例を紹介し、SSAの農村地域では冷蔵ユニットの商業的展開とビジネスモデルへの導入および実装は依然として初期段階にとどまっていると指摘しています。

記事では上記3社のビジネスモデルや進出事例が詳しく解説されていますので、コールドチェーン構築のビジネス事例としてルワンダのGET ITとケニアのCold Solutionsをご紹介した先々週の面白記事Vol.93と合わせてご関心のある方は記事本文をぜひお読みください。

関連記事:「面白記事 Vol. 93(2020年7月28日配信)」Link


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